スーパーグローバル学部増田准教授

いかれた大学教員の思いつき

DODA

恒例の教員募集に応募する儀式、業績をまとめ、意気込みや教育方針に関するレポートを書き、応募書類を送付する一連のサイクル。

建前上は公募を謳っているものの、想定している候補者がいることは良くある話で、そんな公募案件では、よほど圧倒的な業績の差をもって叩きのめせない限り、割り込むことは難しい。
結果、分厚いA4の応募書類を送付するのに対して、長形3号の薄っぺらい封筒が帰ってくるものと相場が決まっている。
 
つまるところ面接すらする価値がないという意味だ。
 
任期のない常勤で働いている以上、ポスドクで求職中の若い優秀な研究者の苦悩とは比べようもないとは言え、あの程度の業績でも某は某大学にポストを得られてるのに!?と思わずにいられない中堅層としては、毎回毎回面接にすら進めないというのもなかなか堪えるものではある。
いくら誇りを高く持とうとも、悲しいかなアカデミアというのは厳然たる階級社会であって、現実問題、居心地が良いかどうかは別にして、地方の比較的小規模な私立大学に在籍していると、対外的な評価を得ることはそう簡単ではない。
 
そんな薄い封筒が届く結果に慣れきっていたところで、今回に限って電話がかかってきた。
 
面接をしてくれるという。
 
ここ数年いくつもの応募書類を送り続けて初めてのことで、正直かなり緊張した。
 
取り巻く状況は厳しさを増しているとはいえ、それなりの時間を過ごして、周りの自治体や企業とのつながりもでき、手応えも出てきた。そういう環境を変えるのは、かなり勇気がいる。
とは言え、キャリアアップの機会を与えられたからには、なんとしても掴むつもりで面接に行かなければと覚悟を決めた。