スーパーグローバル学部増田准教授

いかれた大学教員の思いつき

桃太郎が返り討ちにあった事件その後

桃太郎大学、もとい、岡山大学で炎上中の例のおはなし。

薬学部長まで務めた桃太郎がきびだんご代わりに研究不正疑惑をひっさげ、鬼ヶ島ならぬ官立以来の伝統を誇る医学部に殴りこみをかけたところ、鬼退治どころか「学長のリーダーシップにもとづく強力なガバナンス」の返り討ちにあって懲戒解雇されたでござる事件である。

詳細をご存じない方は以下のようなところをご覧になると大体の経緯はわかるのではないかと思う。リアルな世界で現在進行しているほとんどフィクションとしか思えないようなお話である。

seesaawiki.jp

gendai.ismedia.jp

岡山大学による報告「研究活動に係る不正行為に関する調査結果について」に関する意見

社会的に話題となったのは、二番目の伊藤博敏氏によるゲンダイビジネスの一連の記事が発端のように思う。問題は、懲戒解雇の直接の原因となったのは、この伊藤氏の記事で二人の教授を実名で出してしまっていたことにあるように思える点であって、ジャーナリストとしてやや軽率であったことは否めない。

もっとも、大学の教授、まして研究科長/学部長までつとめた人物が簡単に解雇されるような事態を予想することは困難であることも事実である。その意味で岡山大学(というよりむしろ医学部関係者で固めた学長・理事以下執行部というべきか)は研究不正疑惑を華麗にスルーしただけでなく、ずいぶんと大胆な行動に出たなというのが率直な印象である。

ところで、筆者が先日来疑問に感じていることは、昨年末で懲戒解雇の決定がくだされ、以後裁判というこれまた大変アツい事態になっているわけだけれども、森本・榎本両教授の解雇処分に対して、森本教授を支援する会はできているのだが、榎本教授が放置されているのはなぜなのだろうか?次のポストが決まっていらっしゃるのであれば、それはそれで悪い話ではないのかもしれないが、実際のところどうなのであろうか。理研のポストと併任みたいな形であったようにも見えるので、理研一本になるということなのだろうか。

森山先生を支援する会

ともあれ、この桃太郎返り討ち事件が炎上していることをものともせず、文部科学省からは学長の強力なリーダーシップによる改革が特筆すべき進捗状況にあると絶賛されている。炎上騒ぎも一因となっているのか、誇り高き旧官立大学ではあるが、その評価とは裏腹に岡山大学からは少なからず研究者が流出しているようにも見え、今後も目が離せない。