スーパーグローバル学部増田准教授

いかれた大学教員の思いつき

大学教授の給料

京都大学高山先生の給料明細公開の件。

ご本人がさりげなく「私は2005年4月に36歳で教授に昇任しています。」と一言付け加えているわけだが、ここに実はとても重要な意味があるということをみなさんに知っていただく必要があるだろう。

36歳で国立大学の教授に昇任というのは例外的に早い。スーパーエリート頭脳である。多くの国立大学法人の給与体系的には、早く教授に昇任するほど有利になる。ここがポイントである。教授になってからすでに10年ということからすると、世の中の多くの国立大学の教授よりも、高給取りであることに疑いの余地はない。同世代で一般的な准教授や講師であれば、高山先生よりも年収で100万円単位で少ないということも珍しくないだろう。

あくまでも給与水準という点に関しては、彼女自身は国立大学の教授の中でも恵まれているし、同世代の国立大学教員よりははるかに高給取りである。

教授10年目の45歳でこの金額であることには注意が必要である。

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京都大学をはじめとする国立大学法人ではなく、みなさんが名前を聞いたことのあるような私立大学であれば、おそらくこの1.5倍の給料は出るだろう。もちろん、その代わり私立大学とは研究環境も違うだろうし、面倒を見なければならない学生数については実際のところ桁が違う。もちろん国立大学でも、10年ほど前に比べると、状況としては私立大学に近づいてきたということは確かではあるが、営業活動などに割かなければならない負担なども考えれば、比較にならない。

ではそのような大都市圏の有力私立大学の給料が一般的かといえばそんなことはあるはずもなく、世の中みなさんが名前を聞いたことのあるような大学というのは一握りなのである。世の中の民間企業がすべて一部上場大手企業と同じ給料水準であるわけがないのと同じである。学生の確保が容易ではない昨今、国立大学と同等の給与水準が確保されれば良い方で、ボーナスカットは珍しことではないし、月ベースで国立大学並の収入が約束されていても、年収ではずいぶん差がでるということも少なくない。

また、多くの方々は、大学を経営するような学校法人というのは、倫理的にもきわめてまっとうなものであると信じたいかもしれないが、世の中そう甘くはないもので、月々の給与の支払すら滞るようなブラック学校法人も存在している。どのような業界にも、給与水準の高く労働環境も整った職場と、給与水準も低く労働時間的にも環境的にもブラックとしか表現のしようがない職場があるように、大学もまた同じなのである。

京都大学の高山先生の給料に関しては、国立大学としては例外的に高いが、一部の有力私立大学に比べるとそう高いものでもないというのが実態である。高山先生としては、ちゃんと一言付け加えてますよということだろうが、国立大学の教授はみんな高山先生と同じくらいもらっていると言われると困惑せざるを得ない同業者も多いことだろう。