スーパーグローバル学部増田准教授

いかれた大学教員の思いつき

金メッキ週間

世間では黄金週間である。民間企業では4/29から5/8まで10連休というところもあるだろう。
それに対して、今年は土日以外は祝日も通常通り授業を実施するという大学も少なくない。大学がレジャーランドであった頃に卒業した皆様方には想像すらできないことであろうが、そのような大学の学生や教職員に黄金週間は来ないのである。
大事なことなので念のため繰り返すと、黄金週間は無いのである。

近年、単位の実質化の徹底がはかられる中で、2単位の講義に対して90分×15週分の授業+試験の実施がほぼ定着した。レジャーランド時代には13週分しか実施していなかったところが、年間で言えば4週間、まるまる1ヶ月分授業が増えていることになる。
また、何らかの理由により休講すればほぼ確実に補講される。休講になればそのままなかったことにされた時代があったことなどまるで嘘のようである。
当然のことながら、授業が増えた分は休みが圧迫される。
加えて、多くの祝日が月曜日に移されたことも大学の授業日数確保の上では悪夢でしかない。月曜日の授業だけが圧倒的に少なくなってしまうことになるのである。これは祝日に授業を行う大きな理由の一つとなっている。

大学生は遊んでばかりなどと考えている皆様方は、もう一度いまの大学に入り直して身をもって実感した方が良い。良い面でも悪い面でも、自分たちの学生時代とは似ても似つかぬ世界であることに気づくだろう。

ともあれ、国立大学では曜日の振替などで切り抜けて祝日の授業実施を回避しているところも多い。また、東大のように、一コマの授業時間を90分以上に延ばすことで対応している大学もある。
一方、私立大学では、入試形態が極めて多様化・複雑化しており、入試関係の日程が非常に多く確保されているほか、オープンキャンパスなどの高校生向けの行事に費やされる日もかなり増加している。また、多くの授業を非常勤講師に依存している大学では、曜日の振替を行うことで、複数大学を掛け持ちしている非常勤講師の授業のバッティングを避けたいという思惑もある。
このように、行事と授業との兼ね合いや、非常勤講師の予定を考慮すると、祝日にも授業を行うということが授業日数を確保する上で最も合理的な選択となるのである。

黄金週間とは縁がなくなった学生たちは気の毒としか言いようがないが、せめて夏と春の休業期間中くらいは休みを満喫してもらいたいものである。とはいえ昨今の学生たちはバイトのシフトでがんじがらめになっており、休みを満喫する余裕すら無いというのが実態かもしれない。