スーパーグローバル学部増田准教授

いかれた大学教員の思いつき

シラバス(2ヶ国語)

今時の大学というのは、ゆとり世代よりも上の年齢層の方々の知っているレジャーランドのようなところとは、もはや似ても似つかぬものになっている。教える側が適当にやっつけていようが、教えられる側が講義に出ていようがでていまいが、誰も気にも留めていなかった時代とは違うのだ。

休講すれば補講しなければならないし、綿密な計画に沿って授業を組み立てて実施しなければならない。授業の内容や評価基準などは、学生との契約として、詳細にシラバスに記載しなくてはならない。
 
そのようなわけで、新たに加わることになる大学からも、シラバスを作成せよとの指令が下されている。
学部から大学院まで、担当するすべての科目のシラバスを一気に書かねばならないとなると、これはもう相当な作業量であって、なかなか終わりそうにない。
その上、このシラバスを日英2ヶ国語で用意せよとのお達しであって、作業量としては単純に計算しても2倍である。
 
ああ、そう言えば転任先は昨今話題のスーパーグローバル大学であった。
 
我々新人は自ら2ヶ国語でシラバスを書かねばならないのであるが、すでに在籍している教員の皆さんが担当している科目のシラバスの翻訳にはどうやら予算がついているらしく、多くの科目のシラバスのデータを見ることはできる。ところがこれがスーパーグローバル目指しているのにこんな英語で大丈夫なのか?という疑問を禁じ得ないシロモノである。学外に広く公開されていないことを期待するしかないが、一体どこにいくらで翻訳をお願いしたのであろうか?
 
まさに、オックスフォードの刈谷教授のおっしゃる通りの事態を目の当たりにして、作業に追われながらも、不安は大きくなっていくばかりの今日この頃である。