スーパーグローバル学部増田准教授

いかれた大学教員の思いつき

大規模大学における人事

これまで経験したことのない巨大な組織に所属することになり、新任教員研修にも何十人と参加していることに衝撃を受ける。
驚いたのは、似たような分野の教員が、複数の部局に存在しているということである。研修中に、研究面でもお友達になりたいと思う方に何人か出会った。
ところがさらに驚くことに、私のほうは研究者としてそうした方々に関心を持っても、先方は他人のやっていることに特に関心はないらしい、ということがたびたびある。私は典型的な複合領域系なのであるが、先方からすればよくわからないところから首を突っ込んで来る人間に見えるのかもしれない。

ともあれ、こうした部局をまたがって発生する専門分野の重複というのは、大学の経営サイドとしては面白くないものである。
九州大の研究院以来、教員組織と教育組織の分離の試みが多くの大学においてなされているところではある。

話題になったところでは、東工大の学院や、広島大学学術院がこの春スタートしているはずだが、どれほどの効果をもたらすであろうか。
もっとも、こうした変化というのはすぐに影響が現れるというよりは、5年、10年というスパンの中でじわじわと見えてくるものであろう。少なくともこれまで以上に、人文系分野での退職者の補充は行われなくなるだろう。

果たして思惑通りにことが運ぶかどうか、その結果が示されるのはまだまだ先の話である。