スーパーグローバル学部増田准教授

いかれた大学教員の思いつき

2016-01-01から1年間の記事一覧

スーパーグローバル大学をめぐる誤解

スーパーグローバルという恥ずかしい名前の是非や、本来のグローバル化がどうあるべきかという話はここではひとまず横に置いておく。随分と威勢良く始まったはずのスーパーグローバル大学創成支援であるが、スーパーグローバル詐欺だともっぱらの噂になって…

金メッキ週間

世間では黄金週間である。民間企業では4/29から5/8まで10連休というところもあるだろう。それに対して、今年は土日以外は祝日も通常通り授業を実施するという大学も少なくない。大学がレジャーランドであった頃に卒業した皆様方には想像すらできないことであ…

2018年問題に背を向けて

2018年問題という言葉がある。大学に教員や職員として籍を置いていて、その言葉や意味を知らないとすれば、かなりおめでたい部類に入るが、国立大学界隈には意外とそう言う方々もいらっしゃるかもしれない。わが国では少子化が進んでいるとはいえ、18歳人口…

Fランの逆襲

もう何年前のことになるだろうか。 大学全入時代を迎えて、大学入試における偏差値を算出することが不可能である大学が出てきたことから、大学の偏差値ランキングにおいてボーダーフリー、Fランクという概念を河合塾が生み出した。それからというもの、そう…

地方大学再編

もう一週間以上も前のことになるが、文部科学省は国公私立の枠組みを越えた大学の再編を検討しており、秋にも中教審に諮問するというニュースが流れた。このニュースを見聞きして、信じたくないという人も少なくないであろうし、逆に期待に夢を膨らませる人…

大学教員の世代の壁

「文系の危機」にとどまらず、昨今の大学を巡る状況については、大学教員のあいだで明らかな世代間の差、あるいは壁を見て取ることができる。 それはおそらく、純粋培養アカデミシャンの減少の影響が大きいであろう。理工系学部ではもうすでにずいぶん前から…

「文系の危機」のラベリングは現実を見誤る

文部科学省の例の通知以来、職業柄しばしば「文系の危機」の文言を目にする機会があるわけだが、そもそも文系の危機という表現そのものが保身のための意図的な誤謬を多分に含んでいる。 もともと、文部科学省の通知からして、誤解を招く表現ではあったものの…

大規模大学における人事

これまで経験したことのない巨大な組織に所属することになり、新任教員研修にも何十人と参加していることに衝撃を受ける。驚いたのは、似たような分野の教員が、複数の部局に存在しているということである。研修中に、研究面でもお友達になりたいと思う方に…

こじらせ系大学教員

昨今の国立大学における、教員養成系のゼロ免課程の廃止やその他文系の学部学科の再編等に関して、自分たちの学部の出したミッションの再定義になど一瞥もくれず、極めて短絡的に文系の廃止などけしからんと瞬間的に沸騰してしまった国立文系に所属する皆様…

クォーター制元年

スーパーグローバル大学創成支援事業の補助金の対価は、大学のガバナンス改革とクォーター制の導入を柱とする教育改革である。ガバナンス改革に関しては、学長によるリーダーシップが強調され、これまでのさまざまな部局の教授会がそれぞれ好きなことを言っ…

草刈り場としての国立文系

文系の危機である。人文社会学系の学部はより社会的ニーズの高い分野へと転換せよと言う中で、英文学や仏文学をやるのに文学部である必要はないと思うが、世の中そうは思わない人も少なくないようである。文学をやるのに文学部でないのはけしからんというこ…

あなたたちは採用ミスです

何処も新年度、こちらの大学でも新任教員の研修や、新入生のオリエンテーションがありました。新任研修の時間が長い割に中身がどうでも良く、実務的に必要なことは結局良く分からないというコンボであることは致し方ないところでありますが、いきなり新入生…

最後の一日

信じたくはないが、明日(厳密にはすでに今日)は3月31日であり、年度の最後の日ということになる。 思いがけず長い日々を過ごした研究室にお別れする日でもある。 ここだけの話、まだ片付いてはいない。 それでも明日は明日の風が吹く、だけでなく引越業者…

医学部とはかくも恐ろしきかな

話題に事欠かない医学部。一般のイメージとはずいぶんと異なるのではないかと思うが、医学部・大学病院というところは恐ろしいところなのである。西で火の手が上がっているのが岡山大学の医学部なら、東の火柱は群馬大学の医学部附属病院である。 もともとは…

大学教授の給料

京都大学高山先生の給料明細公開の件。 ご本人がさりげなく「私は2005年4月に36歳で教授に昇任しています。」と一言付け加えているわけだが、ここに実はとても重要な意味があるということをみなさんに知っていただく必要があるだろう。 36歳で国立大学の教授…

桃太郎が返り討ちにあった事件その後

桃太郎大学、もとい、岡山大学で炎上中の例のおはなし。 薬学部長まで務めた桃太郎がきびだんご代わりに研究不正疑惑をひっさげ、鬼ヶ島ならぬ官立以来の伝統を誇る医学部に殴りこみをかけたところ、鬼退治どころか「学長のリーダーシップにもとづく強力なガ…

卒業式

世間は卒業式の季節である。最近は曜日にかかわらず、特定の日を卒業式と決めているところが多いのではないだろうか。年度末での異動ということで、自分自身にとっても卒業式ということになる。着任時には想像していなかった長い期間を過ごし、部屋の中は時…

文系廃止狂想曲の顚末

今年度、大学界隈を賑わせた一番のニュースは、ミッションの再定義を踏まえた速やかな組織改革を進める中で、教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めよという…

出席点

シラバスを書いていて、先だって話題になっていたことを思い出した。 大学の講義における出席点の扱いである。 結論から言えば、単位の認定に際して、出席点を考慮してはならない。 近年、学部学科等で設置申請や改編の届出をしたところでは、シラバスの成績…

シラバス(2ヶ国語)

今時の大学というのは、ゆとり世代よりも上の年齢層の方々の知っているレジャーランドのようなところとは、もはや似ても似つかぬものになっている。教える側が適当にやっつけていようが、教えられる側が講義に出ていようがでていまいが、誰も気にも留めてい…

教授会承認

1月末、ようやく教授会で承認されたとの連絡をいただくことができた。3月末までに何かしら特大級の不祥事でも起こさない限り、これが最終的な決定である。退職願を書き、提出に向けて各方面への連絡に追われる。転任先からは着任に際して新年度に向けて矢継…

センター試験

そんな中、大学入試センター試験が行われ、入試シーズンもまっただ中となったわけである。 センター試験当日、それは大学教員にとって一年でもっとも長い一日になる。勤務する大学が、センター試験を利用した入試を行うことと引き換えに、センター試験の監督…

良い知らせ

おそらく毎週決まった曜日に会議が開かれているらしく、そこでの議論を経て、こちらに連絡をいただいているようであった。何度目かのメールや電話でのやり取りを経て、講座主任の先生からその連絡をいただいた。第一候補として教授会に推薦することになった…

電話連絡

面接からしばらくたったある日、改めて応募先から電話がかかってきた。 良い知らせなのか、悪い知らせなのか、緊張して手に取る。 果たして結果はまだ出ていないという電話であった。面接の時に聞きそびれたことがあったので、確認したいという。 電話口での…

採用面接

指定された日時の予定をこじ開け、指定された場所に向かい、面接を受ける。近くであれば気楽に受けられるかもしれないが、移動時間もかかるし、スケジュールを確保するのも大変だ。地方の大学に勤務していると、どうしてもそういうハンディはある。 交通費を…

DODA

恒例の教員募集に応募する儀式、業績をまとめ、意気込みや教育方針に関するレポートを書き、応募書類を送付する一連のサイクル。 建前上は公募を謳っているものの、想定している候補者がいることは良くある話で、そんな公募案件では、よほど圧倒的な業績の差…