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スーパーグローバル学部増田准教授

理工系からこのご時世によりによって人社系に文転した大学教員の日記

大学

癒着と出来レースとご褒美と

いろいろ駄文を書き溜めていたものの、年度末の忙しさの中ですっかりタイミングを外してしまった。まとめてボツにしたところで、まだなんとか賞味期限内の話題。 文部科学省の天下り問題で、特にスーパーグローバル大学の選定について、癒着だという声が上が…

Fラン化する大学の実態とつぶすべき大学論

これだけ文章を書く暇があるなら仕事しろと言われそうなところで久々の更新。ネタが無くなると定期的に投下される感のある、Fラン大学ではこんなとんでもない実態が!という話であるが、昨日今日と、名門一橋大学出身のフリーライター白石新氏による記事がデ…

指定国立大学の公募

以前から話題となっていた指定国立大学の公募を文部科学省が開始した。 「大学全体としてすでに国内トップレベルの研究力、国際協働、社会連携実績」があることが応募の前提条件となっており、これら三つの領域に設定されているいくつかの要件のうち、少なく…

大学のグローバル化

スーパーグローバル詐欺であれなんであれ、近年、大学の目標としてグローバル化やそれに対応した人材の育成が掲げられることが多くなった。 世界を舞台に活躍できる人材を育成することの必要性については異論はないのだが、今現在進められようとしている大学…

罫線との醜い闘い

科研費申請のための書式の罫線に苦労している人は多いようで、河野太郎議員の以下のツイートに歓喜した大学関係者は多数いたと思われる。現に私もRTした。 科研費の申請書の罫線は次回申請から廃止することに決まりました。 — 河野太郎 (@konotarogomame) 20…

科研費と研究者

今年のノーベル賞ウィークは初日から医学生理学賞を大隅先生が受賞されたことで、大隈先生による「私と科研費」の記事が話題である。 私と科研費 | 科学研究費助成事業|日本学術振興会 どこの国立大学も、大学から支給される研究費については、いつゼロにな…

大学ランキングのはなし(追記)

昨日、BBCにどこの国の学生がもっとも賢いのか?というOECDのテスト結果に基づく記事が出ていた。この記事で指摘されていることは、わが国の大学改革の方向性や、大学ランキング騒動を考える上でも大いに示唆に富んでいる。 www.bbc.com These figures, base…

大学ランキングのはなし(国際)

そもそもスーパーグローバル詐欺の発端はと言えば、運営費交付金の枠が削減されていくことを見据えた予算確保のため、国立大学法人の改革プランの中で、10年間で世界の大学ランキングトップ100位以内に10校以上を送り込むという、無謀とも言える目標を掲げた…

大学ランキングのはなし(国内)

今回と次回はランキングの話題。 昨今一部の世間を賑わせている大学ランキングは、世界各国の大学をランク付けするものだが、国内でもこれまで経済系の雑誌や、進学情報系メディアを中心に「〇〇な大学ランキング」なる特集が度々組まれてきたことにはそれほ…

ポスドクの憂鬱は終わらない

どの業界でも団塊の世代の大量退職によって、若い世代の雇用環境の改善が期待されるという話があったが、大学界隈ももちろん例外ではない。団塊世代が退職すれば多くのポスドクや任期付きポストに甘んじている若手にもテニュアへの道がひらけるのではないか…

オープンキャンパスへの意気込み

先月、女子高生に土下座で「お願い、1回だけでいいから」という、誤読を誘うヤル気満々コピーのゲスい広告で名古屋近辺の大学が全国にその名を轟かせたところであるが、高校野球も盛り上がりを見せる夏休みは、国公立大学を含め、多くの大学のオープンキャン…

本当の敵は誰か?

国立大学の教員たちが、優秀であればあるほど雑務ー特に個人もしくは組織として応募する各種競争的資金の申請書作成業務に追われ、教育・研究に携わる時間とかけられる経費が減り、最終的に学生の教育にもしわ寄せがいく、といった昨今の事態に対して、文部…

勝ち負けで教育を語る人々

教育コンサルタントを自称する方であれ、受験生であれ、はたまた大学に通う学生であれ、あるいは受験期の子息令嬢を抱える保護者であれ、世の中には教育を勝ち負けでしか考えられない人種というものが存在する。 diamond.jp たとえば上記の記事のシリーズな…

国立大学の運営費交付金削減と経営危機

先の研究費ゼロ時代の記事は、運営費交付金の削減との関わりで書いたところであるが、運営費交付金の削減によって、多くの国立大学は一部の私立大学以上に経営的に厳しい状況に置かれているという事実はもっと知られて良いだろう。 たとえば、もっとも多額の…

研究費ゼロ円時代

国立大学においては、すでに研究費が限りなくゼロに近いところも出てきているが、いまのところ一定の研究費が確保されている大学に勤務している教員のみなさまも、もちろんわたし自身も含め、明日はわが身である。 国立大学の運営費交付金が毎年1%ずつ減額さ…

左派の憂鬱と多数派幻想

参議院選挙が終わった。 旧来型の左派知識人も未だ多数生息している大学界隈からは、当然のごとく嘆きの声が上がっている。 勝てないのは翼賛メディアのせいだとおっしゃる皆様には残念な結果なのかも知れないが、野党共闘は大善戦したと言うべきだろう。激…

インターンシップ地獄

近頃は就業力であるとか社会人基礎力であるとか、大学生が求められる力のインフレーションが加速しており、やれプロジェクトだ、やれインターシップだなんだと、OTJ的なプログラムが盛んに推奨されている。 もちろんその背景には、ほとんどの卒業生が正規の…

非常勤講師を待ち受ける未来

すでに時期を逃した感はあるが、大阪市立大学における非常勤講師の契約を巡り、非常勤講師の外注化を目指しているという計画が明らかになって、以後、TwitterのTLなどにも非常勤講師の待遇に関する発言がよく流れて来ていたので、少し書いておこうと思ってい…

大学ランキング狂想曲2016年編

THEランキングで東大がアジア1位から7位へと転落して、いつもの界隈からは日本の大学がランキングを落とすのは文部科学省の愚策のせいだという大合唱である。 それはそれで見物していれば良いのではあるが、しかし今年のランキングを見てみると、ややこれま…

椅子取りゲームに勝つ方法(教員編)

大学に学生として入ることは容易になった。その反面、教員として大学に入ることはずいぶん難しくなった。 大学に所属する研究者のポストというのは、それを希望する人数に比べると圧倒的に少なく、当然のことながら大学教員を目指した「就活」においても、熾…

就活に失敗したと泣き叫ぶエゴ

6月1日に解禁となったはずの企業による新卒採用の選考活動。実態としては多くの著名な企業はすでに選考も終了しており、その時点で実質的に内定が解禁される事態となった。 例年このタイミングで就活に失敗したという、当人にとっては深刻であるが、客観的に…

管理屋より猛獣使いを

ソニー退潮の要因を、上に立つリーダーが数字による管理ばかり重視する経営姿勢に見出す、技術畑出身で副社長まで務めた大曽根氏のインタビュー。彼の発言は昨今すっかり管理屋が跋扈する業界になりつつある国立大学法人ならびに文部科学省の全関係者が一読…

残念な大学教員

出来レースではない公募案件も増えてきた昨今では、比較的少なくなってきたようにも思うが、それでもやはり教育に携わる資質に疑問符がつくような大学教員というのは存在している。 なにより学生をバカアホ呼ばわりする教員というのは、救いようがなく、一刻…

これで大学と言えるのかと言われて

一昨日あたりから、初年次教育の観点から、大学の大衆化の現実について論じた記事が話題となっている。想像のはるか上を行く大学「大衆化」のインパクト これで大学生と呼べるのか?「初年次教育」という憂鬱 | JBpress(日本ビジネスプレス)はてなブックマー…

地域志向の功罪

地(知)の拠点(大学COC)事業の募集や、新課程の廃止にともなう学部・学科再編等により、地域を志向した学びを実践する学部学科が雨後の筍状態である。地方の国公立大学の生きる道として、方向性そのものは間違いではないが、問題はアクティブラーニングだ…

スーパーグローバル大学をめぐる誤解

スーパーグローバルという恥ずかしい名前の是非や、本来のグローバル化がどうあるべきかという話はここではひとまず横に置いておく。随分と威勢良く始まったはずのスーパーグローバル大学創成支援であるが、スーパーグローバル詐欺だともっぱらの噂になって…

金メッキ週間

世間では黄金週間である。民間企業では4/29から5/8まで10連休というところもあるだろう。それに対して、今年は土日以外は祝日も通常通り授業を実施するという大学も少なくない。大学がレジャーランドであった頃に卒業した皆様方には想像すらできないことであ…

2018年問題に背を向けて

2018年問題という言葉がある。大学に教員や職員として籍を置いていて、その言葉や意味を知らないとすれば、かなりおめでたい部類に入るが、国立大学界隈には意外とそう言う方々もいらっしゃるかもしれない。わが国では少子化が進んでいるとはいえ、18歳人口…

Fランの逆襲

もう何年前のことになるだろうか。 大学全入時代を迎えて、大学入試における偏差値を算出することが不可能である大学が出てきたことから、大学の偏差値ランキングにおいてボーダーフリー、Fランクという概念を河合塾が生み出した。それからというもの、そう…

地方大学再編

もう一週間以上も前のことになるが、文部科学省は国公私立の枠組みを越えた大学の再編を検討しており、秋にも中教審に諮問するというニュースが流れた。このニュースを見聞きして、信じたくないという人も少なくないであろうし、逆に期待に夢を膨らませる人…

大学教員の世代の壁

「文系の危機」にとどまらず、昨今の大学を巡る状況については、大学教員のあいだで明らかな世代間の差、あるいは壁を見て取ることができる。 それはおそらく、純粋培養アカデミシャンの減少の影響が大きいであろう。理工系学部ではもうすでにずいぶん前から…

大規模大学における人事

これまで経験したことのない巨大な組織に所属することになり、新任教員研修にも何十人と参加していることに衝撃を受ける。驚いたのは、似たような分野の教員が、複数の部局に存在しているということである。研修中に、研究面でもお友達になりたいと思う方に…

こじらせ系大学教員

昨今の国立大学における、教員養成系のゼロ免課程の廃止やその他文系の学部学科の再編等に関して、自分たちの学部の出したミッションの再定義になど一瞥もくれず、極めて短絡的に文系の廃止などけしからんと瞬間的に沸騰してしまった国立文系に所属する皆様…

クォーター制元年

スーパーグローバル大学創成支援事業の補助金の対価は、大学のガバナンス改革とクォーター制の導入を柱とする教育改革である。ガバナンス改革に関しては、学長によるリーダーシップが強調され、これまでのさまざまな部局の教授会がそれぞれ好きなことを言っ…

草刈り場としての国立文系

文系の危機である。人文社会学系の学部はより社会的ニーズの高い分野へと転換せよと言う中で、英文学や仏文学をやるのに文学部である必要はないと思うが、世の中そうは思わない人も少なくないようである。文学をやるのに文学部でないのはけしからんというこ…

医学部とはかくも恐ろしきかな

話題に事欠かない医学部。一般のイメージとはずいぶんと異なるのではないかと思うが、医学部・大学病院というところは恐ろしいところなのである。西で火の手が上がっているのが岡山大学の医学部なら、東の火柱は群馬大学の医学部附属病院である。 もともとは…

大学教授の給料

京都大学高山先生の給料明細公開の件。 ご本人がさりげなく「私は2005年4月に36歳で教授に昇任しています。」と一言付け加えているわけだが、ここに実はとても重要な意味があるということをみなさんに知っていただく必要があるだろう。 36歳で国立大学の教授…

桃太郎が返り討ちにあった事件その後

桃太郎大学、もとい、岡山大学で炎上中の例のおはなし。 薬学部長まで務めた桃太郎がきびだんご代わりに研究不正疑惑をひっさげ、鬼ヶ島ならぬ官立以来の伝統を誇る医学部に殴りこみをかけたところ、鬼退治どころか「学長のリーダーシップにもとづく強力なガ…

文系廃止狂想曲の顚末

今年度、大学界隈を賑わせた一番のニュースは、ミッションの再定義を踏まえた速やかな組織改革を進める中で、教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めよという…

出席点

シラバスを書いていて、先だって話題になっていたことを思い出した。 大学の講義における出席点の扱いである。 結論から言えば、単位の認定に際して、出席点を考慮してはならない。 近年、学部学科等で設置申請や改編の届出をしたところでは、シラバスの成績…

シラバス(2ヶ国語)

今時の大学というのは、ゆとり世代よりも上の年齢層の方々の知っているレジャーランドのようなところとは、もはや似ても似つかぬものになっている。教える側が適当にやっつけていようが、教えられる側が講義に出ていようがでていまいが、誰も気にも留めてい…

センター試験

そんな中、大学入試センター試験が行われ、入試シーズンもまっただ中となったわけである。 センター試験当日、それは大学教員にとって一年でもっとも長い一日になる。勤務する大学が、センター試験を利用した入試を行うことと引き換えに、センター試験の監督…